その五十一

★十二単に憧れた藤原紀香、打掛にヘッドドレスの和洋折衷が話題になったエリカ様ら、芸能人にも神前結婚が人気のようだ。寺島しのぶと一緒になったフランス人は、ロロという愛称から『呂』の字の五つ紋をあしらった紋付袴姿が愛らしかった。和装婚が増えるなか和服での参列を望む、あるいは望まれるお客様も多くなったが、冠婚葬祭の中でも一番難しいのがこれらのケースと言っていいだろう。

★和洋に関わらず、祝儀と不祝儀は相手へのリスペクトを服装で表す正装(盛装)であることが重要。告別式などは黒またはそれに準ずる色を纏っていれば何とかなるが、結婚式は洋装と同様、年齢や立場などによっても装いを選ぶことになる。時代の変遷に伴い、ハデ婚、ジミ婚、でき婚、国際結婚とスタイルも多種多様で、新郎新婦の年齢も実に幅広い。先方に失礼のないようあらゆるケースを考慮する必要があるのだ。★あくまでも主役は新郎新婦で、2人を差し置いて目立ってはいけないが地味でもいけない!と言うさじ加減も洋装と同じ。特に和装の場合は格式がはっきりしているので、場合によっては洋装より選びやすいと言う人もいる。が、格式どころか着物に種類があることもご存知ないお嬢さんだと、とんでもない悪目立ちをしてしまう場合もある。例えば、最近流行りの銘仙は大正〜昭和初期に一世風靡した言わばギャル着で、お祝いの席では絶対NGなので要注意だ。

★当店ではドレスコードを洋服に例えてご説明しているが、ホテルなどの正式な式場では既婚女性は黒留袖や色留袖、未婚女性は振袖や訪問着などの第1礼装がマスト。教会やレストランなどワンピースなどのセミフォーマルでいい場合は、色無地や付け下げ、格の高い小紋などもいいだろう。新婦と同じ白いドレスを着るのがタブーのように、新婦より目立つ華美な振袖も場合によってはNG。また単衣や薄物の時期は、新郎新婦やご家族が袷の貸衣装をお召しになる場合が多く、招待側や他の出席者のリサーチも必要だ。★招く側が全員洋装、外国での挙式、新婦の年齢のwスコアの未婚女性客、またはその反対の場合など、当店のお客様にも様々なケースが有ったが、ご本人の立場に立ってアドバイスするようにしておる。2次会や気軽な会場でのお色直しや参列のご相談、手持ちのお着物や帯で失敗しないスタイリングもお引き受けするので、ご遠慮なくお持ち込みくださいませ。

(梶原志津)