その百二 ★浴衣のお悩み解決!的な番組を見ると、世の女性の悩み事ベスト3は@着付けが大変で、着崩れも心配A思ったより暑いB下駄で足が痛くなる、だとか。おいおい、それって、全てサイズが合ってないのが原因じゃないのか。そもそも浴衣ってのは風呂上がりに寛ぐスタイルであり、ルームウェア〜ワンマイルウェアといった存在。そんな物が着にくかったり暑かったりしてはまずいはずだ。日本人全員が日常的に着ていたのだから『着付け』というほどのものでもない。 ★だが、これはあくまで体に合わせて誂えた時の話。何度も書いているが、今のプレタポルテは女性なら身長165cm以上を想定して作られた物で、おまけに裄(背中心〜手首辺り)など、昭和の平均より5cm以上長い。和服というのは昔の日本人体型に適した物であったので、今の様な欧米人体型に合わせると相当に歪みが出る。裄を長くすると巾も広くなるし、たとえ身丈が合っていても標準体重程度の方だと身幅はかなりのオーバーサイズになる。折り込む部分やら巻き込む部分やらがやたら増える事で、着付けも複雑になるし、着崩れしやすくなるし、暑い!という事になる。 ★実は私は、冬より夏の方が着込んでいる。着物が薄くなる分『あしべ織り』という天然素材の汗取り肌着を増やす事で、補整しながら熱をこもらせない効果があり、汗で浴衣や着物を痛めることもない。側胸部には汗を止めるツボがあるので、肌着をちゃんと着て紐を締めたり帯をするのは実に理にかなったことなのだ。さらに乳首の上辺りに顔の汗を出さないツボがあるそうで、舞妓さんや歌舞伎俳優は胸をサラシで強く 巻いているのだとか。ブラパンスケスケで汗ダラダラなんておねえちゃんはもってのほか。涼しげに着こなすのが夏の和服の醍醐味である。 ★下駄については前々回書いたので省くが、大多数の方が間違った履き方をしている。目からうろこの『下駄ふぇあ』は8/3(土)4(日)が今夏ラストチャンス。8/7(水)得三ライヴとの連携プレゼント企画もあるのでお楽しみに。(梶原志津) |